クアンタンで日本語の本をーー「なずな文庫」

マレーシアの東海岸クアンタン。ここには日本語の本を集めた「なずな文庫」という図書室がある。日本人同士のコミュニティの場所にもなっているようだ。(マレーシアマガジン=アンバー・シェル)
 

日本語の図書と、日本語話者のコミュニティ

 

マレーシアの東海岸・クアンタンに日本語の本を集めた「なずな文庫」という場所があるのをご存知だろうか?

 
この文庫の設立者はクアンタン在住の日本語講師谷本千種さん。谷本さんとご主人はMM2H (マレーシア・マイセカンドホーム・プログラム)へ参加し、日本語講師をしながら、14年間クアンタンで生活している。
 
彼女らが来る前、クアンタンでは日本人(特に学童)が少なく、日本人学校、補習校なども無く、日本語に触れる機会も限られていた。そこで、谷本さんは文庫を開くため日本の家から絵本を運び、2005年7月に「なずな文庫」を開設した。大阪阪南市文庫連絡会、阪南市立図書館の協力もあり、多くの絵本を運ぶことができた。その後、クアンタンに住んでいる日本人の支持を受け、今では「なずな文庫」には約1,500冊の本がある。本の種類はさまざまで小説・文庫本・絵本・教科書・図鑑・料理本や雑誌などである。
 
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利用料金は無料。利用メンバーの大半は赴任家族とマレーシア人と結婚した日本人。また、親子で憩う場所もなっており、母国語(日本語)を維持するため、毎週土曜日に、日本人ママたちは子供たちを連れて集会をする。活動内容は子どもたちに絵本を読んだり、手遊び歌をしたり、子供時代のゲーム(「たまごをポン」、「かごめかごめ」)をしたりなど。たまに、日本の物語を教えるために、紙芝居も行う。また、谷本さんの「日本語個人指導谷本教室」の生徒達もこの活動の手伝いを行っている。
 

「なずな文庫」のメンバーに取材した。

 

子どもが二人いる大石晃子さんは、「家だと私と子どもだけの空間だけど、ここに来ると、絵本を読んでもらったり、手遊び歌を歌ったりしてもらえるので、子どもが楽しめます。私自身も、ここで他のお母さん達とお話できるのが楽しいです」と話す。また、中華系マレーシア人の夫をもつ瀬戸えり奈さんは、「子供がちゃんと日本語を忘れないようにするために、なずな文庫に通っています。現地の日本人の親子とはなかなか交流する機会がないので助かります」と説明する。2歳のお子さんがいる神野あゆみさんは、「クアンタンにいると子供が日本語の本に触れる機会は少ないので、なずな文庫にきています。あと、自分が子供に教えることは難しいので、みんなでやることに意味があるかなと思っています」と教えてくれた。
 

「なずな文庫」についての情報:

毎週の土曜日
時間 : 10:30am – 12pm
休日: 帰国時 / 状況に応じる
場所: マレーシアの東海岸、クアンタン(パハン州の州都)にある、谷本さんの自宅。
電話番号: +60 179785963

 

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