【フル・ランガット】インドネシア系レストランSELARA ANGGERIK D’NANDING
SELARA ANGGERIK D’NANDINGは、インドネシア系少数民族が開いたレストラン。今回はセランゴール州政府の招待で行ってきたのでレポートする。(マレーシアマガジン=野本響子)
SELARA ANGGERIK D’NANDINGは、セランゴール州のフル・ランガット(Hulu Langat)にあるレストラン。クアラルンプールからは車で30-40分ほど行くと、静かな田舎の風景になってくる。道路からは「Rinba Ikan Bakar」と書いた黄色い看板が見えるのが目印だ。
店内はシンプルでよくあるマレーシアの食堂という趣。
インドネシア系少数民族のミナン族一世がオーナーを勤めており、マレー料理とは少し違った味が楽しめる。営業は昼のみだ。
ごはん、各種カレー、焼き魚、野菜の炒め物など、一見、マレー料理の食堂と見分けのつかないような料理が並ぶ。しかし、よく見ると、ペーストの作り方、スパイスの使い方、ココナッツの使い方などに違いがあるとのこと。同行の記者たちは「ミナンの料理はマレー料理よりも少し辛めの味付けだ」と話す。
特にIKAN PAISと呼ばれるペーストをつけて焼いた魚が名物だ(写真)。
この日はジリン(Jering)と呼ばれる大型豆のカレー煮があった。ジリンは、マレーシアで有名な臭い豆の「ペタイ」に似ているが、ペタイほど臭いや苦味が強くないので食べやすい。飲み物は、インドネシア風のアボガド・ジュースにチョコレートを垂らしたドリンクが人気だ。
レストランは2012年にオープン。三年前に今のオーナーに引き継いだ。このフル・ランガットには、ミナン族をはじめ、かつてスマトラ島から移住してきた人々が多く住んでいる。
インドネシアから来た子孫たちは、セランゴール州やヌグリ・センビランに多く住んでおり、文化が少し違うのだと、同行のマレー人インフルエンサー(彼女もpadangにルーツを持つ一人なのだそうだ)が教えてくれた。ミナン族は伝統的に女系で女性が強いのも特徴で、フル・ランガット周辺にはミナンの特徴を持つ建物も多く残っているという。
Taman Desa Pelangi, 43200 Hulu Langat, セランゴル