【フル・ランガット】針のないハチによる養蜂場Kasih Hulu Langat
東南アジアには針のないハチが多いが、フル・ランガットにある、Kasih Hulu Langatは、銀行員だったオーナーが開いた養蜂場。セランゴール州の招待で訪れたので紹介する。(マレーシアマガジン=野本響子)
セランゴール州のフル・ランガットにある、Kasih Hulu Langatは、東南アジアに多く生息する針なしのハチによる蜂蜜を育てる会社だ。
世界に針のないハチは140種ほどいると言われているが、そのうち35種類がマレーシアに生息。ここではそのうち9種類を育てる。9種類のハチはそれぞれ行動様式が違い、中には5キロ先までをテリトリーにするものもいるそうだ。
針なしハチの集める蜂蜜の味は、時期や花の種類によって異なる。マンゴスチンやドリアンの花の蜜を集めることもあるそうで、マンゴスチンの蜂蜜は紫色で酸味が強い(ただ、取れる量が少ないそうで、この日はすでに売り切れていた)。このほか、コスモスなど、季節や種類によりさまざまな花の蜜が取れる。ここの蜂蜜は日本でおなじみのよりも少し水っぽく、サラサラしている。
蜂蜜のほか、蜂蜜を使った石鹸、プロポリスオイルなどの加工品も扱う。通信販売や卸は一切しておらず、入手するにはフル・ランガットのこの店に買いに来るしかない。
元銀行員が手探りで起業
オーナーのファリダ・カリッドさんは55歳のときにRHB銀行の人事の仕事を辞めて、叔父の家で出会った針なしハチのビジネスを始めた。
ペタリン・ジャヤで生まれ育った「シティ・ガール」だった彼女には、わからないことばかりだったそうだ。最初に仕入れたハチたちは、いつの間にかいなくなってしまう。彼女は、書籍やインターネットなどを読んで研究を重ね、どうしたら、ハチがい続けてくれるのかを探した。必要なのは、綺麗な水と、十分な花で、今ではハチたちは戻ってきてくれるようになったという。
最近では、エコツーリズムを研究する学生などの見学も増えている。
訪問する場合、事前の予約が必要になる。Faridahさんの電話は012-974-1379。
Kasih Hulu Langat