都会に近いオラン・アスリの居住区「Desa Temuan Bukit Lanjan」
クアラルンプール郊外ダマンサラ・ペルダナに、マレーシアに昔から住むオランアスリの人々のコミュニティがある。あまり知られていないコミュニティをマレーシア観光局の案内で訪れた。(マレーシアマガジン=野本響子)
クアラルンプール郊外のペタリン・ジャヤ。コンドミニアムやショッピングモールが立ち並ぶダマンサラ・ペルダナに、マレーシアの原住民族であるオラン・アスリのコミュニティがある。オラン・アスリ (Orang Asli) は、マレー半島の先住少数民族。「オラン」はマレー語で「人」「アスリ」は「本来の」という意味。
ここに住むのはオラン・アスリの中でも「タムアン族」と呼ばれる人たちだ。最も古い18の種族のうちの1つなのだそうだ。
「Desa Temuan Bukit Lanjan」は、ここに住むオラン・アスリの人々のための福祉施設や集会施設、文化の保護などをまとめて行なうコミュニティ・センターのような施設だ。事前に予約すれば、さまざまな生活様式のデモンストレーションを見学可能だ。
ここに住むオラン・アスリの人たちは、伝統的な衣装も着ておらず、モダンな服を着て現代的な生活をしている。見た感じは、オラン・アスリの村というよりも、一般的なコミュニティ・センターのようで、セランゴールの他の場所のオラン・アスリの村のような、伝統的な家屋は残っていない。
今回見せてもらったのは、動物を狩るための罠の掛け方、調理の方法、お祝いの食事、ダンス、楽器演奏、結婚式、伝統工芸など。
まず、動物を狩るための3種類の罠を教えてもらった。草木を工夫して作った罠は、動物の大きさによって罠のサイズを変更する。1つの山に一晩で200から300の罠をかける。そのうち、だいたい10から20の罠が実際に動作し、鹿やイノシシ、鳥などを捕まえられるそうだ。
その次に見たのは伝統的な料理の方法。火を起こして、竹の筒を使って料理する。
もち米や、タピオカ芋、魚、田舎スタイルの鶏肉などを煮たり蒸したりした料理を試食した。ユニークだったのは、ウツボカズラのような食虫植物の空にご飯を入れてもち米を描いたものだ。もち米は何か特別の時に提供されることが多いそうだ。
また伝統的な結婚式の様子も再現。結婚式では指輪や衣服、お金などが贈られる。村の女性たちによるダンスと歌・楽器のパフォーマンスも披露された。入って左側の建物「Museum Dan Balai Adat」では、オラン・アスリの伝統的な竹細工等も展示されている。
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