セランゴール・フルーツ・バレー
セランゴール・フルーツ・バレーはマレーシア最大級の観光農園だ。1000haという広大な敷地にさまざまな果樹園や畑、施設が点在し、一日家族で楽しめる。(マレーシアマガジン=野本響子)
マレーシアではアグロ・ツーリズム(農業をテーマとした旅行)が静かなブーム。これはそんなアグロ・ツーリズムが楽しめるマレーシア最大級の観光農園だ。クアラルンプールから北に1時間ほど行ったラワンの近くにあり、日帰りも可能だ。
とにかく広大なフルーツ農園と畑
1000haという広大な敷地に、フルーツ農園、畑、ココナッツ畑、ゴム林、珍しい針なしハチによる蜂蜜、ミニ動物園など、さまざまなアトラクションが揃っている。あまりに広いので園内はトラムで移動するが、一日回っても回りきれない大きさだ。園内にはランチもできる冷房完備の休憩所もあるので、ゆっくり時間をとっていくと良いだろう。
2002年に開設。当初はスターフルーツの大手サプライヤーだったが、1年前に観光農園としてオープン。2017年にはマレーシアで「最も成長した農業ツーリズム」賞を受賞した。
農園では20種類40品目のフルーツのほか、野菜も栽培している。マンゴー、ジャックフルーツ、スターフルーツ、グアバ、バナナ、ココナッツなど南国ならではのフルーツを安く販売している。取れたばかりのフルーツの味は格別だ。
写真撮影=石坂 完爾
野菜の収穫体験はあるが、フルーツ狩りは行なっていない。理由はフルーツが熟れているのかどうか、素人では判断がつきにくく、植物を傷つけてしまう可能性があるからだそうだ。
ハーブ・ガーデンにはハーブのみならず、主要フルーツの木が植えられているので、効率よくフルーツを見ることができる。
マレーシアの伝統的な家を再現した「ルマ・カンポン」では、伝統的な家の中でココナッツ・ジュースを飲める。このあたりにはカブトムシがいて、日本人のファミリーに人気だそうだ。
「針なしハチ」の高級はちみつやゴムの樹液採取体験も
また、ここで特徴的なのが、「針なしハチ」による蜂蜜。針のないハチは、小ぶりで一見すると黒一色でハエに似ている。このハチによる蜂蜜は高価で1Kgあたり400RM(約1万2000円)するという。実際に蜂蜜を食べみると、少し水っぽく、また酸味があり、フルーツのような美味しさがある。もともとこのハチが生息していたのだが、インドネシアで同様のハチから蜂蜜をとっていることから、蜂蜜の採取が始まったのだそうだ。
園の向かい側にはゴムの木の林もあり、そこではゴムの樹液の採集体験も行なっている。ゴムの樹液は白く、手で触っているとおなじみのゴムの感触になる。
ハリネズミや七面鳥、ギニーピッグのいるペッティング・ズー
ペッティング・ズーではさまざまな動物と触れ合える。うさぎ、鹿、ギニーピッグ、ハリネズミ、七面鳥などが飼われている。鹿の公園もある。
また、ここでは「プラント・ティッシュ・カルチャー」と呼んでいる植物の栽培方法を行なう。植物を増やす初期の段階で、必要な栄養素や水を入れた人工的な土壌を入れた小さな瓶に入れて育てる。病原菌やカビの付いていない健康な母体の植物をピンセットで切り取り、培養土に入れて密封する。植物が十分に育ってから、土壌に植え替えるのだそうだ。
予約が必要だが、プラント・ティッシュ作り体験も行える。ただし、この瓶詰めの植物は生育条件が25度に設定されており、植物検疫の問題もあり日本に持ち帰るのは難しいとのこと。
最近では、日本人の団体からの問い合わせも多い。日本人団体客に人気なのは、ゴムの木の樹液採集と、プラント・ティッシュ作り体験。アクティビティの多くが予約制。10日前までに予約してほしいとのことだ。
45600 Batang Berjuntai, Selangor, Malaysia
KM 7, JALAN BATANG BERJUNTAI, RAWANG
https://www.facebook.com/selangorfruitsvalley/