ラマダン(断食)への配慮

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断食中(ラマダン)はマレーシアのムスリムに配慮を

マレーシアはイスラム国家です。毎年時期になるとイスラム暦に沿って、「ラマダン」(断食)が約1ヶ月程続き、信仰深いムスリムの方々は日の出から日没まで、一切の飲食を止めます。

ラマダンのサイクル

これは10歳くらいから練習をするもので、最初は午前中のみなどと区切って少しずつ練習をします。イスラム暦は太陽暦と異なるため、毎年11日ほど早くなります。
 
2015年のラマダン期間は6月18日〜7月16日まで。
 
一口に断食と言っても、乳幼児や妊婦、産婦、病人や重労働者に対し、強制的に課せられる様なものではありません。もちろん異教徒に強制されるような事もなく、基本的に断食とは、本人の宗教モラルに委ねられているのです。日本では断食と言われていますが、その間の喫煙、性行為、投薬などの行為も禁欲として控えます。食事に関しては、日没から日の出までの間に一日の栄養を取る事になります。 

現在は、日没からすぐにファーストフード店で食べる準備をしているマレー人が風物詩のようになっていますが、本来はデーツ(ナツメヤシの実)を3個ずつ食べ、空っぽになっている胃袋を少しずつ慣らします。断食中のマレーシアにナツメヤシの実が多く並ぶのは、その習わしのためです。

異教徒の私達が協力出来る事

この時期ムスリムの人達にとって、夜は自由に飲食が出来る「喜びの時間」となります。そのためこの時期には、小さな子供も家族一緒に夜更かしするなど、日本とは違った様子が。日没には屋台などを始めとした飲食店で、断食中にしか食べられないお菓子なども売り出しますので、是非出かけてみましょう。様々なレストランでは「ラマダンビッフェ」などの催し物も開催します。
 
ラマダンは日中に飲食をしないため、この時期にはイスラム圏の人々の生産性が落ちますが、これは本人の問題ではなく、宗教上の大切な節目のため。現地で働く人にとっては「生産性が落ちる上にイライラしている」ムスリムの方と仕事をしなければならず、一緒に過ごす異教徒にとってもストレスの溜る時期となりますが、マレーシアは国教がムスリムの国。理解をする事が大切です。
 

学校での配慮

学校などでも配慮がされます。生徒のランチタイムに断食をするムスリムの生徒などは、教室に残って自習をさせるなど、学校毎に配慮がされています。異教徒が一緒に食事を食べないという事はありません。
 
もちろん観光地でも、断食が強制される事はありません。異教徒の私達は普段通りに過ごす事が出来ます。マレーシアの場合、多国籍の人々が住んでいるため、観光地では通常営業がされています。ただし、いくつかあるマレー人地区では、日中ほとんどの飲食店が閉店しますので、注意が必要です。
 
何かと知らない事が多いムスリムの習慣ですが、中に入ってみると、お盆などと変わらない、家族で祝う喜びを見る事が出来ます。マレーシア人のほとんどは、英語を話す気さくな人たちなので、気になる事があれば、臆せず色々と質問してみましょう♪

 

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