マレーシアのタックスヘイブン「ラブアン」ってどんなところ?

island 1285147 1920 - マレーシアのタックスヘイブン「ラブアン」ってどんなところ?
マレーシアの「オフショア金融センター」として有名なのがラブアン島です。法人設立の場所として知られ、世界からタックスヘイブンと認識されるこの島をご紹介します。

ラブアン島といってもすぐにイメージがわく人は少ないかもしれません。しかし知る人ぞ知る島で、マレーシアでは免税の島、そしてオフショア法人設立の金融センターとして有名です。今回は、ラブアン法人の設立数では2019年ナンバーワンの実績を持つ、BBS Trust Int’l Limitedのオペレーション・ダイレクターのオー・イー・カンさんに話を聞いてみました。

マレーシアは13の州と3つの行政特区で構成されています。3つの行政特区はそれぞれ、首都、行政、金融の役割があり、ラブアン島は連邦直轄地区の中で金融の役割を担っています。

ラブアンってどんなところか?

ラブアン(Labuan)は、東マレーシアのサバ沖、南シナ海にある島です。美しいビーチ・リゾートとともに、アジア太平洋戦争の激戦地としても知られ、日本軍の降伏ポイントなどの観光地もあります。

1990年に国際的な金融活動を誘致するために、国際的オフショア金融センター(IOFC)として設立されました。この地域は地理的に、香港、ジャカルタ、クアラルンプール、シンガポールなどの金融首都に近接しており、戦略的に配置されています。ラブアンIOFCは後に国際ビジネス金融センター(IBFC)としてブランドを変更しました。

1990年からファイナンシャル・センターに

ラブアン は1990年にファイナンシャル・センターとして外国からの投資を呼び込む目的で始まりました。2010年からマレーシア人にも開放され、「オフショア」として知られてきました。

マレーシア政府は、ラブアンが国際的なマネーロンダリングに使用されることを警戒しました。しかし、低い金利と条件の良さから注目されたラブアンは、世界的にタックスヘイブンと認識されるようになりました。厳密にはオフショアではなく、オンショアとオフショアの中間に位置するミッドショアと言われています。

金融だけじゃない、ラブアンの産業 オイルとガス

ラブアンは、油田とガス田に囲まれています。マレーシア政府は、ラブアンを国内の石油化学のハブの1つと宣言しました。石油化学製品は、ラブアンの輸出総額の70%以上を占めており、約33億米ドルです。ペトロナスケミカルズメタノールは、東南アジア最大のメタノール生産国であり、世界で4番目に大きなメタノール生産国です。石油とガスの大部分は貨物で輸送されます。

もともとラブアン の周囲には石油とガスが多く、そのため、ファイナンスの需要があったのだそうです。例えば、企業のM&Aビジネスなどでは、エグジット時の印紙税などが高くなるため、ラブアン を使うメリットが大いにあるのです。

広義のタックスヘイブンと「オフショア」の違い

「タックスヘイブン」は租税回避地とも言われ、要するに、一定の税金が免除されたり、低くなったりする地域のこと。バージン諸島やケイマン島などが有名です。マレーシアには、実は広義の意味でのタックスヘブンが四つあります。

それは、ランカウイ、パンコール、ラブアン 、ティオマン。印紙税やSST、関税などがフリーとなっています。チョコレートやアルコールが安く買えます。

よく「オフショア」と言う言葉が出てきます。この元の意味はoff shoreで「岸から離れた」ということですが、俗に「オフショア」と言われる場合、「オフショア金融センター」の意味を指します。

ダイヤモンドの記事によれば、こんな定義です。

国内金融市場(オンショア:Onshore)から隔離され、税制などの優遇措置を与えられた国際金融市場をオフショア金融センターOffshoreFinancialCenterと呼びます。

このオフショア金融センターは、マレーシアでは実はラブアン島だけに限られます。うちファイナンシャル・センターとなっているのはラブアンだけです。

ラブアン はオフショアではなく「ミッドシェア」です

しかしラブアンの実態は「実はオフショアではなくミッドショア」です。
情報の開示が緩く、ある程度の秘密が守られ、規制が非常に緩く税金の緩和があるオフショアと、政府に情報の細かい提出が求められ税金も厳しいオフショア(通常の会社)。この中間に位置するのがミッドショアです。

ラブアン 法人に対しては、2019年より、さらに少し規制が厳しくなり、ラブアン島での従業員の雇用や最低限の支出要項などの実体要件が追加されています。このことから、ミッドショア的な位置付けがますます強くなったそうです。

ラブアン島へのアクセス

ラブアン島へ行くには、マレーシアの各地から飛行機と船を利用します。ラブアンの空港は、マレーシアの首都クアラルンプール空港へ1日2便、サバ州の州都であるコタキナバルへの1日1便のフライトがあります。島には深海港があり、マレーシア本土とブルネイへの複数のフェリー接続を提供しています。

ラブアン法人設立をご検討の方、ぜひご相談ください(無料)

ラブアン法人設立申請の日本語サポートが可能です。

ラブアン法人の設立はマレーシアでビジネスを行う際に魅力的な制度ですが、設立申請は、現地でのサポートが必須です。 どういった準備が必要なのか?必要書類の選定など、不安な点はご相談ください。

まずはお気軽にご相談ください!

無料相談する

ラブアン法人設立に関するお問い合わせはこちら