マレーシアで洪水後に注意するべき感染症について

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 アラ・ダマンサラのあおいファミリークリニックさん提供による健康ニュース。マレーシアでは、11月に入り雨が続いており、各地で洪水により道が冠水するなどの被害が出ています。このように洪水が続くとさまざまな感染症が広がる恐れがあります。今回は洪水後に注意するべき感染症についてです。

 
洪水になると不衛生な水に触れることにより、腸チフス・コレラ・A型肝炎・マラリアなどの感染症が蔓延することもあります。今回は、その中でもクリニックのオーイ先生が注意するべきだという「レプトスピラ症」と「デング熱」についてお伝えします。

 

レプトスピラ症ってどんな病気?

 
みなさんは「レプトスピラ症」という病気を聞いたことがありますか? 日本でもあまりなじみのない言葉ですよね。
 
「レプトスピラ症」はワイル病、秋疫(あきやみ)、用水病と呼ばれ、人獣共通の細菌感染症です。世界中で発生がありますが、特に東南アジアや中南米などの亜熱帯地方で多く見られます。
 

どうやって感染するの?

 
病原体はドブネズミなどの野生動物や家畜の尿、あるいはその尿に汚染された水や土壌と直接接触することによって感染(経皮感染)します。また、その尿で汚染された水や食品を介して感染(経口感染)の報告もあります。しかし、人から人に感染することはありません。

 

どんな症状がでるの?

 

潜伏期間は2〜21日程度です。発症すると頭痛・高熱・結膜の充血・筋肉痛・など風邪に似た症状が出ます。重症化すると肝臓や腎臓障害を伴い、エボラ出血熱レベルの全身出血を引き起こすこともあります。重症型については「ワイル病」と呼ばれ、敗血症になる恐れもあります。「レプトスピラ症」は細菌による感染なので、感染後は抗生物質の服用が有効です。

予防するにはどうしたらいいの?

洪水後の汚水が溜まっているようなところで怪我をしないように気をつけましょう。さらに怪我をしている場合には水の中に入らないようにしましょう。

 

デング熱についての基礎知識

 

マレーシアに住んでいる方なら必ず聞いたことのある「デング熱」。日本では異国のとても怖い死に至る病気をいう認識かもしれませんが、感染しても80%の人は発症せず、発症したとしてもきちんと治療すれば重症化する確率は5%と低い病気です。しかし、デング出血熱という重篤な病気になることもあるので、注意が必要です。洪水後は水たまりが多くできそこに蚊が卵を産み、蚊が大量発生する可能があるので注意しましょう。

どうやって感染するの?

デング熱はデング熱ウイルスを持つ蚊(ネッタイシマカ、ヒトスジシマカなど)に刺されることで感染します。こちらも人から人へは感染しません。

どんな症状がでるの?

潜伏期間は3〜7日程度です。症状は急激な発熱(38度〜40度)、頭痛、関節痛、筋肉痛などです。発熱は3〜5日間継続し、解熱とともにかゆみをともなった発疹が胸部や四肢に広がることがあります。食欲不振、全身の倦怠感は1,2週間続きます。血小板が減少した例では、鼻血や歯茎からの出血、生理出血の過多が起こることがあります。通常、1,2週間で回復し、後遺症をともなうことはほとんどありません。

 

あおいファミリークリニックでは20分程で「デング熱」の検査をすることができます。お気軽にご相談下さい。

 

予防するにはどうしたらいいの?

 

「デング熱」を媒体とする蚊の活動時間は夜明け少し前から日暮れまでの間、特に日の出と日没の時間帯です。この時間帯の外出を控えるか、外出する際には長袖を着用するようにしましょう。さらに、室内にいる蚊は夜間でも刺すことがありますので、窓を閉めるか網戸がある部屋は網戸をしっかりと閉めましょう。

 

「レプトスピラ症」も「デング熱」も予防が大切ですので、洪水が起こった後の水たまりなどには大人も子供も注意しましょう。
少しでも体調に不安を感じたら早めに相談してください。

 

 

 

あおいファミリークリニック
C-G-03,Capital 3, Oasis Square, No.2 Jalan PJU 1A/7A, Ara Damansara,

 

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012-392-6961(日本語)
診療時間:午前9時〜13時と14時〜18時

 

参考資料:
http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/leptospirosis/
http://www.newsclip.be/article/2017/01/24/31891.html

 

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